相続放棄したのに空き家の管理って必要?手放した後に直面する問題とは

相続放棄したのに空き家の管理って必要?手放した後に直面する問題とは

親が亡くなったあと、空き家を相続するかどうか悩む人は少なくありません。

特に、「管理が大変そうだから相続放棄しよう・・・」と考えるケースも多いでしょう。

しかし、実は相続放棄をしても、状況によっては空き家の管理責任が発生する場合ばあります。

今回は、相続放棄後に発生する空き家の管理責任について、注意点や対策を詳しく解説します。

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相続放棄とは?

相続放棄とは、親が残した財産や負債をすべて放棄し、一切引き継がないことを意味します。

家庭裁判所に申し立てを行い、認められることで相続人の立場を失い、財産だけでなく借金などの負債からも解放されます。

しかし、不動産の場合は話が少し違ってきます

相続放棄をしたからといってすぐにその家と無関係になれるわけではなく、一定期間、管理責任が生じるケースがあるのです。

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相続放棄をしても管理責任が残るケースとは?

相続放棄をしても管理責任が残るケースの代表例が、親と同居していた場合です。

これは、相続放棄をしてもすぐに所有権が次の相続人や第三者へ移るわけではないため、その間、近隣住民に迷惑をかけないよう最低限の管理を行う義務が発生するという考え方によるものです。

例えば、以下のような場合に管理責任が発生します。

◎親と同居していた場合
→ 相続放棄をしても、次の所有者が決まるまでの間、空き家の管理責任を負う。

◎他の相続人が全員相続放棄した場合
→ すぐに国や自治体が管理してくれるわけではなく、所有者が不明確な状態が続く。その間、近隣への影響を考慮して適切な管理が求められる。

この管理責任を怠ると、空き家が老朽化し、倒壊や景観悪化、不法侵入などのトラブルを引き起こす可能性があります。その結果、近隣住民や自治体から苦情が寄せられ、最悪の場合、行政から改善指導が入ることもあるのです。

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相続放棄後の管理負担を減らす方法

相続放棄をしても管理を求められるのであれば、「相続放棄しない方がよかったのでは?」と考える人もいるでしょう。

そこで、相続放棄後の管理負担を減らすために、以下の方法を検討するのも一つの選択肢です。

自治体に相談する
→ 自治体によっては「特定空き家」に指定し、行政が対応してくれる場合があります。

売却や寄付を検討する
→ 相続放棄をする前に売却や寄付を検討し、早めに手放すことで管理の負担を減らす方法もあります。

空き家管理サービスを利用する
→ 定期的に見回りや清掃をしてくれるサービスを利用し、トラブルを未然に防ぐ。

これらの方法を活用すれば、相続放棄後の管理負担を軽減することが可能です。

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相続放棄を考える前に確認すべきポイント

相続放棄をすると、親の財産をすべて放棄することになるため、慎重に判断する必要があります。

例えば、空き家以外にも預貯金や貴金属などの資産がある場合、それもすべて放棄しなければならないという点には注意が必要です。

また、他の相続人がいる場合、自分が放棄することで他の誰かが相続することになるため、事前に話し合いをしておくと後々のトラブルを防ぐことができます。

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まとめ

◎相続放棄をしても、親と同居していた場合は空き家の管理責任が発生する
◎管理責任が発生するのは、新しい管理者が確定するまでの間
◎最低限の管理として、倒壊防止・不法侵入対策・景観維持が求められる
◎自治体や管理サービスを活用すれば負担を減らせる
◎相続放棄すると、空き家以外の財産もすべて放棄することになるため慎重に判断する

「相続放棄=すぐに手放せる」と考えていると、思わぬ管理責任が発生してしまうこともあります。
空き家の管理をどうするかを含め、相続については事前によく考え、最適な選択をすることが大切です。